【ギリヴ】梅の実が豊作だったので [/personify(擬人化)]
絵は、日テレさんの「ゆっくり私時間」より
毎週楽しみにしてます(*´▽`*)
グリーネが梅シロップを作るお話。
* 梅シロップ作り *
ぱきゅ!
青々とした梅の実がわれるたび、あたりにみずみずしい香りが広がる。
この時期恒例、グリーネの梅シロップ作り。
木製の梅割り機が梃子の原理で次々梅を割っていくのを、ブラウニーは不思議そうに眺めている。
「これどうしたのー?」
「この前ラジオでやってて。余った木材で作ってみたんだー。
今年も豊作だったし、フォークじゃ間に合わないから」
「便利だねぇ」
「でしょでしょ! 見様見真似にしては上出来。はい、あーん」
「あーん!」
大きく開いたブラウニーの口に氷砂糖をひと粒。
「おいひー」
「なんと、今年の梅シロップは氷砂糖と黒糖と蜂蜜の3種類です!」
「ふごーい!!」
「何がすごいの?」
昼食の仕込みを終えたエプロン姿のルーベルがやってきた。
「梅ヒロップ3種類らって!」
「ほんと?!私も手伝う!」
「ありがとう。梅雨があけたら完成だよー」
「おまえら揃って何騒いでんだ」
「あ、シアくんおはえりー」
「おう。ラウ、口から何か出るぞ」
モンスター退治から帰ってきたシアンが、ひょいっと氷砂糖をつまみ食い。
「これ全部割んの?」
山積みの青梅。
「そだよ」
「シアも手伝いなさいよ」
「昼飯は?」
「これが終わったら!」
「うー・・・・・・」
「ルーこれ使って。僕は麺棒でたたくから」
「梅割り機、グリーネの手作りなんだよ!」
「これ楽でいいわね!」
「でしょー!」
「効率わるいけどな」
パキュ! パキュ!
シアンが次々と梅を割っていく。
素手で
「ちょっ 素手とか野蛮!!」
「きゃー!シーヤこわーい!」
「うるせぇ手伝わねえぞ」
部屋は甘酸っぱい香りでいっぱい。
これから来る長雨の向こうには、もう夏が待っている。
(2015*06*22)
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